「もっと猫背になりなさい」
今まで、背筋をピンッと伸ばすことが良い姿勢だと信じ込まされてきたあなたにとっては、衝撃的なタイトルですよね。
当院でもお伝えしている通り、日本人の方の多くは、「猫背」ではありません。
「猫背の定義」は、「胸椎の後弯が生理的な範囲よりも大きく曲がったものであり、円背ともよばれる。」とウキペディアに書いてありますが、円背の人は先天的障害を持っている人以外はほとんどいない。
日本人のほとんどは、この胸椎の生理的弯曲に達している人は、ほとんどいません。
むしろ、かけ離れている方がほとんどです。
「日本人に多い姿勢」って実は…
「猫背だと言われるので、姿勢を良くしたいんです」
「肩こりがひどいのは、姿勢が悪いせいだと思ってます」
「背中が丸い、姿勢が悪いと昔から言われるんです」
日頃、患者さんとお話させていただくと、上記のようにおっしゃる患者さんが非常に多いですわけですが、そもそもその前提が間違っていることになります。
上記致しましたように、日本人に多い姿勢は、「猫背」ではなく、「平背」と呼ばれる背中を真っすぐにした姿勢なのです。
本来であれば、「生理的弯曲」と呼ばれる、頸椎と腰椎が前湾(反った状態)、胸椎と仙骨(骨盤)は、港湾(丸くなった状態)になるのが、横から見た姿勢の理想的な形と言われています。
しかし、小さい頃から「背筋をピンとしなさい」と教育を受けて来た日本人は、「背中を起こす」、「ピンと伸ばすこと」が正しい姿勢だと教え込まれて来たため、背中の丸みがなくなり、むしろ「平背」が多いと言われます。
胸椎が丸くなることで、身体のバランスを保ち、不安定な「頭」を支えることが可能できているわけですが、ピンと背筋を伸ばした姿勢だと、頭を支えるバランスも悪くなってしまいます。
内容が重複してしまうため、詳しくは、こちらの「当院の姿勢改善・姿勢矯正」のページをご覧ください。
背筋を伸ばすことで起こる「緊張」
当院が4DSの姿勢をお伝えするようなって「一番の変化」は、「慢性的な肩こり」や「何十年も苦しんでいた痛み」を訴える患者さんの症状が、改善されていくようになったことが挙げられます。
「もう何十年も肩こりがある」
「人一倍、姿勢には気を付けている」
「私が姿勢が悪いから、肩こりがひどいんだ」
そのようにおっしゃる方がほとんどで、施術後には楽にはなるものの、一定の期間しか楽になることはなく、また同じ痛みに悩まされることになる。
こういったことの繰り返しでした。
しかし、「何十年も」とおっしゃる方ほど、誰よりも姿勢に気を付けている(背中をピンとすること)んです。
姿勢に気を付ける → いつも姿勢のことを意識している → 緊張につながる
姿勢に気を付ける → 肩甲骨を寄せる・胸を張る → 肩や背中の筋肉を緊張させる
気を付けている意識と姿勢自体が、いわゆる「コリ」を作っていたんですね。
「緊張」は、筋肉を硬くします。硬くなった筋肉は、痛みを出しやすくなります。
「何十年も肩こりに悩まされている」という方ほど、自分自身で痛みを作り出していたんですね。
そういった方ほど、今までの習慣やご自身のやってきたことを変えることは、「難しい」ですし、「信じられない」と思いますし、「否定したい」というお気持ちになられると思うのですが…
「騙されたと思ってやってみてください」
「今までと同じことしかやらないと、また同じ結果しか出ません」
「やってみて、変わらなかったらまた戻せばいいだけですから」
と申し上げて、最も大事な「脱力」を意識していただくことと、背中を起こすことや胸を張ることをやめること、巻き肩、背中を丸めることなどを意識していただくと、ほとんどの方が、「今まで感じたことがないくらい楽だった」とおっしゃいます。
また、バランステストを行い、肩を前方向に回す場合と、後ろ方向に回した場合の違いなども感じていただくことによって、お身体の変化を実感していただくことができます。
何十年の肩こりの原因は、猫背が原因ではなく、一生懸命に「良い姿勢」をしようと思っている方ほどなりやすく、背中を起こすこと、良い姿勢だと思い込んでいる姿勢(背筋をピンッと伸ばす姿勢)をとろうとしていたことが原因だったと考えられますよね。
普段から緊張していれば、筋肉が固まってしまうのは当然です。
「脱力」がいかに大切か、当院の患者さんを見させていただいていても、それを実感することができます。
高齢になった時に、背中が丸くなるんじゃ…
「高齢になって背中が曲がってしまったら…」とお思いかもしれませんが、高齢になって曲がって来るのは、背中ではなく、「腰椎」です。
本来反っているはずの腰椎が、反らなくなることが問題であって、背中は丸いことが正常なのです。
むしろ、腰が曲がってしまった高齢者は、背中を丸くすることができません。
なぜなら、腰が曲がった状態で背中を丸くすると、重心が前に行き過ぎてしまい、身体が倒れてしまいます。
ご自身の身体でも試してみてください。
腰が曲がると、むしろ背中を起こすようにしないと、前のめりになって倒れてしまうんです。
それで、画像のような倒れないためのカートが必要になるんです。
カートなどの支えるものがない場合、腰が曲がった方の腕の位置は、身体よりも後ろにあります。
ということは、肩甲骨を寄せていることになります。「肩甲骨が寄る=胸を張っている」という図式となります。
腰椎の前湾がなくなってしまうと、むしろストレートスパイン(背骨が真っすぐな状態)に陥りやすくなってしまとういうことです。
高齢になった時に、腰が曲がらないようにするためには、「筋力」であったりも必要であることは間違いないのですが、ウォーキングの仕方であったりの指導も行っております。
これで、背中を丸くすることと、将来曲がってしまうんじゃないかという不安は、結びつかないということがご理解いただけたかと思います。
詳しくは、堀先生の著書をご覧ください。
上記のようなことは、堀先生の著書の中にも書かれていることですし、ブログなどでも書かれています。
おススメの書籍ですので、当院でご覧いただくこともできますが、一冊お持ちになるのも良いかと思います。
姿勢のことなどで、お困りの場合や、分からないことなどは、お気軽にご相談くださいね。
お電話ありがとうございます、
よこはま山手治療院でございます。