当院では、基本的に音の鳴る「矯正」、カイロプラクティックで言うところの「アジャストメント」と呼ばれる手技を行います。
もちろん、あらかじめ問診票で「希望するかしないか」をご記入していただき、確認をさせていただいて行います。
決して無理に行うことはありませんので、苦手な方もご安心ください。
それで、その際に良く質問されるのが、「音の正体は何か?」、「何が鳴っているのか?」といったことです。
今回は、よくあるご質問にお答えする形でご紹介して参りますね。
「音の正体」は諸説ある
では、実際に「関節の音」について考察して参ります。
実は、色々な仮設もありますが、最も有力だとされているのは、「関節の圧が低下する」ことで音が鳴ってるといった説です。
「関節」とは、骨と骨をつないでいる箇所で、「一対の関節」とは、骨と骨がありそれを包む関節包、その中にある滑液からできています。
関節内は、滑液(かつえき:関節軟骨に栄養を与え関節の運動を滑らかにする液体)という液体で満たされています。
「関節」の間隔が開き、関節包が伸ばされると、滑液中にはガスが溶けていて、滑液からガスが放出され、関節面の間の無気腔が満たされます。
なかなか難しい解説となりますが、つまりは「滑液」の中で「気泡」がはじける音、それがポキポキ鳴る音の正体と考えられているんです。
そして、この現象が【キャビテーション】と呼ばれています。
キャピテーションとは?
では、その「キャビテーション」とは何かを少し考えて行きます。
もう少し説明を付け加えると、「圧力を低くすると、水の沸点が下がり、室温でも水を沸騰させることができる現象」です。
気圧の低いところでは、水の沸点が低くなると聞いたことがあるかと思います。
例えば、山の上の方では、「沸点」が100℃よりも低いといった話です。
他にも、水を撒くホースを潰すと泡ができると思いますが、その泡は圧力をかけたことにより、水が沸騰(気化)しているんですって。
なかなか難しいお話ですが、指が鳴ったり関節が鳴ったりするのは、関節を引っ張ったり、曲げることで圧力の低下を起こし、上記のような状態を作り出しているということになります。
実際の効果は?
「指って鳴らすと良くないの?」
「鳴らしたところは太くなるの?」
「音を鳴らす手技って良くないんじゃないの?」
そういったことを考える方も多いですよね。
しかし、上記のようなことには根拠がありません。
私も頻繁ではありませんが、毎日指は鳴らしますし、それでも特別太くなっているわけでもありません。
太くなっていたとしてら、それは仕事が関係しているのでしょう。
これは私自身の経験ですが、音を伴う関節の矯正も、音を鳴らすこと自体に問題があったことはありません。
よくカイロプラクティックなどで事故があったというニュース記事も目にしますが、適切なやり方でなかったのかもしれませんし、無理やりに行った結果なのかもしれません。
そうした事故が、実際に起こっているのかもしれませんが、「技術不足や勉強不足の人が行う行為」と「しっかり経験と勉強をしてきた人が行う」のでは違うと言えます。
医師であろうと手術でミスはします。「医療ミス」と呼ばれるものだってありますよね。
「矯正音」を伴う関節運動も、ミスをしたわずかな例だけを取り上げて、「危険だ」という意見を述べる人がいますが、手術もわずかな例を取り上げて、危険だと訴える人、もうしない方が良いと言う人がいるのか?と、そう考えてみてもらえると良いかと思います。
「矯正音を伴う関節運動」は、関節生理学にとってプラスの効果があるとも言われ、一説によると、音が鳴ることで、「滑液」の軟骨表面への栄養補給を促進するとも言われています。
もちろん、だからと言って、必ずしもやった方が良いと述べているわけでもありません。
音が鳴らなくても関節を動かすことはできますし、骨格を整えることも可能です。
ご来院の際にはご相談くださいね。
ちなみに余談ですが、指などを鳴らして、その後すぐには鳴らすことができませんよね。
関節の音が鳴って、再び滑液中にガスが溜まるのが約20分くらいらしいです。
つまり、一度指を鳴らして、また鳴るようになるまで約20分くらいだそうですよ。
今回の内容は以上となります。
今回の内容と併用して、「よくいただくご質問ボキボキ音のする施術は、しても大丈夫なんですか?」の記事もご覧ください。
では、また!
この記事を書いた人
中野 貴博(なかの たかひろ)
横浜市中区の整体 よこはま山手治療院 院長 あん摩マッサージ指圧師
当院のコンセプトである「痛みや症状に振り回されることなく、やりたいことをやりたい時にできる身体作りを目指すこと」を患者さんに体現していただくため、日々活動しています。
昭和54年8月20日生 石川県金沢市出身(横浜在住20年ほど)
血液型O型
詳しいプロフィールはこちら
お電話ありがとうございます、
よこはま山手治療院でございます。