「日本人に多い姿勢」って実は…
「猫背だと言われるので、姿勢を良くしたいんです」
「肩こりがひどいのは、姿勢が悪いせいだと思ってます」
「背中が丸い、姿勢が悪いと昔から言われるんです」
日頃、患者さんとお話させていただくと、上記のようにおっしゃる患者さんが非常に多いですわけですが、そもそもその前提が間違っていることになります。
上記致しましたように、日本人に多い姿勢は、「猫背」ではなく、「平背」と呼ばれる背中を真っすぐにした姿勢なのです。
本来であれば、「生理的弯曲」と呼ばれる、頸椎と腰椎が前湾(反った状態)、胸椎と仙骨(骨盤)は、港湾(丸くなった状態)になるのが、横から見た姿勢の理想的な形と言われています。
しかし、小さい頃から「背筋をピンとしなさい」と教育を受けて来た日本人は、「背中を起こす」、「ピンと伸ばすこと」が正しい姿勢だと教え込まれて来たため、背中の丸みがなくなり、むしろ「平背」が多いと言われます。
胸椎が丸くなることで、身体のバランスを保ち、不安定な「頭」を支えることが可能できているわけですが、ピンと背筋を伸ばした姿勢だと、頭を支えるバランスも悪くなってしまいます。
内容が重複してしまうため、詳しくは、こちらの「当院の姿勢改善・姿勢矯正」のページをご覧ください。
背筋を伸ばすことで起こる「緊張」
当院が4DSの姿勢をお伝えするようなって「一番の変化」は、「慢性的な肩こり」や「何十年も苦しんでいた痛み」を訴える患者さんの症状が、改善されていくようになったことが挙げられます。
「もう何十年も肩こりがある」
「人一倍、姿勢には気を付けている」
「私が姿勢が悪いから、肩こりがひどいんだ」
そのようにおっしゃる方がほとんどで、施術後には楽にはなるものの、一定の期間しか楽になることはなく、また同じ痛みに悩まされることになる。
こういったことの繰り返しでした。
しかし、「何十年も」とおっしゃる方ほど、誰よりも姿勢に気を付けている(背中をピンとすること)んです。
姿勢に気を付ける → いつも姿勢のことを意識している → 緊張につながる
姿勢に気を付ける → 肩甲骨を寄せる・胸を張る → 肩や背中の筋肉を緊張させる
気を付けている意識と姿勢自体が、いわゆる「コリ」を作っていたんですね。
「緊張」は、筋肉を硬くします。硬くなった筋肉は、痛みを出しやすくなります。
「何十年も肩こりに悩まされている」という方ほど、自分自身で痛みを作り出していたんですね。
そういった方ほど、今までの習慣やご自身のやってきたことを変えることは、「難しい」ですし、「信じられない」と思いますし、「否定したい」というお気持ちになられると思うのですが…
「騙されたと思ってやってみてください」
「今までと同じことしかやらないと、また同じ結果しか出ません」
「やってみて、変わらなかったらまた戻せばいいだけですから」
と申し上げて、最も大事な「脱力」を意識していただくことと、背中を起こすことや胸を張ることをやめること、巻き肩、背中を丸めることなどを意識していただくと、ほとんどの方が、「今まで感じたことがないくらい楽だった」とおっしゃいます。
また、バランステストを行い、肩を前方向に回す場合と、後ろ方向に回した場合の違いなども感じていただくことによって、お身体の変化を実感していただくことができます。
何十年の肩こりの原因は、猫背が原因ではなく、一生懸命に「良い姿勢」をしようと思っている方ほどなりやすく、背中を起こすこと、良い姿勢だと思い込んでいる姿勢(背筋をピンッと伸ばす姿勢)をとろうとしていたことが原因だったと考えられますよね。
普段から緊張していれば、筋肉が固まってしまうのは当然です。
「脱力」がいかに大切か、当院の患者さんを見させていただいていても、それを実感することができます。
高齢になった時に、背中が丸くなるんじゃ…
「高齢になって背中が曲がってしまったら…」とお思いかもしれませんが、高齢になって曲がって来るのは、背中ではなく、「腰椎」です。
本来反っているはずの腰椎が、反らなくなることが問題であって、背中は丸いことが正常なのです。
むしろ、腰が曲がってしまった高齢者は、背中を丸くすることができません。
なぜなら、腰が曲がった状態で背中を丸くすると、重心が前に行き過ぎてしまい、身体が倒れてしまいます。
ご自身の身体でも試してみてください。
腰が曲がると、むしろ背中を起こすようにしないと、前のめりになって倒れてしまうんです。
それで、画像のような倒れないためのカートが必要になるんです。
カートなどの支えるものがない場合、腰が曲がった方の腕の位置は、身体よりも後ろにあります。
ということは、肩甲骨を寄せていることになります。「肩甲骨が寄る=胸を張っている」という図式となります。
腰椎の前湾がなくなってしまうと、むしろストレートスパイン(背骨が真っすぐな状態)に陥りやすくなってしまとういうことです。
高齢になった時に、腰が曲がらないようにするためには、「筋力」であったりも必要であることは間違いないのですが、ウォーキングの仕方であったりの指導も行っております。
これで、背中を丸くすることと、将来曲がってしまうんじゃないかという不安は、結びつかないということがご理解いただけたかと思います。
詳しくは、堀先生の著書をご覧ください。
上記のようなことは、堀先生の著書の中にも書かれていることですし、ブログなどでも書かれています。
おススメの書籍ですので、当院でご覧いただくこともできますが、一冊お持ちになるのも良いかと思います。
姿勢のことなどで、お困りの場合や、分からないことなどは、お気軽にご相談くださいね。
お電話ありがとうございます、
よこはま山手治療院でございます。