こんにちは。
よこはま山手治療院、院長の中野です。
突然ですが皆さん、今お使いになっている「枕」や「マットレス」に満足していますか?
「とても気に入っている」
という方もいらっしゃるかもしれませんが、このブログをご覧のあなたは、「マットレス」や「枕」に、多少の不満を抱いていらっしゃるのではないでしょうか?
そこで、今回は、当院にご来院の方々にもよくご相談を受けます「寝具」についてのブログです。
もちろん、ここに書きます内容が全てではありません。
さて、そもそも「良い寝具」とは何でしょうか?
またしても質問から入るのですが、あなたにとって「良い寝具」、「良い枕」、「良いマットレス」とは何でしょうか?
・ぐっすり眠れる
・起床後にどこも痛みが出ない
・すっきり目覚められる
・質の良い眠りができる
などなど、こういった感じでしょうか。
しかし…
それって本当に「寝具だけ」で起こる問題なんでしょうか?
そもそも「質の良い睡眠」の定義も、実は明確なものはなく、上記のようなことは、寝具だけでコントロールされている問題ではありません。
メディアなどでよく言われることは…
「枕外来」と言われる整形外科があり、そこの先生が以前はよくテレビに出ていました。
「寝ている時には寝返りが重要です。ですから、横を向いた時に首から背中が真っ直ぐになるような高さの枕が理想である」とその先生はおっしゃっていました。
「ほぉー」と思い、私も実際に試してみたことがあります。(その先生が推奨する玄関マットやバスタオル使う方法です。)
しかしながら、普段低い枕を使用している私には、非常に高く感じられ、逆に首が痛くなってしまいました。
「いや、一日だけじゃ分からない。もう一日頑張ってみよう」とやってみましたが、今度は首が張りすぎて頭痛まで出てきてしまいました。
もちろん合う人もいるのでしょうが、結果的には、私にとっては「快適な睡眠」をもたらしてくれるものではありませんでした。
寝具に対しての思い込み
先程、快適な睡眠が「寝具だけでコントロールされているも問題ではない」
と申し上げましたが、例えば、仕事で何か嫌なことがあった時やイライラしている時を想像してください。
いくら良い寝具を使っていたとしても、寝付きが悪くなったりすると思いませんか?
また、小学校の遠足の前などは、ソワソワして眠れないなんてこともあったかもしれません。
それはいくら『高級な枕やマットレス』を使っていても、問題は起きてしまうと考えられます。
何が言いたいかと申しますと、皆さんが「常識だ」と思っている睡眠や寝具に対しての認識が、実は間違っているかもしれませんということなんです。
枕やマットレスを気にしてしまう方は、「良い枕」、「良いマットレス」に出会えば、つまり「良い寝具」にさえ出会えれば、睡眠に対しての不満は解消される、不調も改善されると思い込んでいらっしゃる方が多いです。
しかし、本当にそうなのでしょうか?
寝具さえ取り替えれば、あなたの睡眠や不調が変わるのでしょうか?
もしかしたら、多少の影響はあるかもしれませんが、「起きている時間」つまり「活動している時間」については、全く考慮しないんでしょうか?
前提として、寝ている時間よりも、起きている時間の方が長い方が多いわけですよね。
でしたら、起きている時間に何をしているか、どういう風に過ごしているかが(例えば運動をしたり、ストレスに晒されることなく過ごせているかなど)起床時の状態や身体の不調に影響を及ぼすと考えるべきですよね。
睡眠の満足度調査
「睡眠の満足度調査」では、年々日本人の睡眠に対する満足度は低下している。
これだけ寝具の研究が進み、多くの方が寝具にお金をかけているにもかかわらず、満足度は上がるどころか低下しているのが現状なんです。
落ち着いて考えてみても、おかしいですよね?
だって良い寝具を使えば、ぐっすり眠れるはずですし、質の良い睡眠ができるはずでしたよね?
しかしながら、良い寝具に囲まれているはずなのに、結果は全く違うものになっているんです。
そもそも…
寝具にお金をかけられるようになったのは、ここ数十年の話です。
日本だけで申し上げても、戦後の貧しい時期に、「寝具」にお金をかけられた人はごく一部だと思われますし、もっと前の平安時代などには、布団で寝られる人の方が少なかったのではないでしょうか。
それでも「腰が痛い」と農業?ができなけば、生活もできなかったでしょうし、劣悪な環境であっても、何とかやれていたから子孫である我々がいるのですよね。
ということは、良い寝具でなくても人間は普通に生活できたと考えた方が良いと思います。
寝具に依存してしまうと…
「あまり寝具に依存しない方が良いですよ」とご来院の方々にはよくお話させていただきます。
これは「寝具」に限らずかもしれません。
例えば、もしあなたが自分に合う最高の枕を手に入れたとします。
しかし、その枕がないと寝られない、寝付けないとなったらどうでしょうか?
旅行先にもそれを持ってきますか?
もしそれがなくなったら、不安で不安でたまらなくなってしまいませんか?
私はそういった状態が健全であるとは思えません。
寝具に依存してしまうと、それがなくなった時に、正常な精神状態でいることが難しくなり、結果的に快適な睡眠とは程遠いことになってしまうのではないでしょうか。
少し話がズレますが、子供って枕なんてなくても、どこでも寝てしまうんです。
フローリングの上でも平気で寝ます。
でも、次の日にどこも痛いなどとは言いません。
子供と大人の身体の違いは、「柔軟性」であると考えられます。
本来であれば、多少枕が変わっても、寝る環境が変わっても、しっかり寝られる身体の状態の方が健全であると考えることができます。
まとめ
ここまで長文にお付き合いいただきましたが、当院の考えとしては、寝具に依存するよりも、多少寝具が変わってもビクともしない身体になった方が、結果的に生活は楽になりますということです。
もちろん、高すぎる枕や枕を使わないことは良くないと思います。
畳や床にそのまま寝るよりも、ベッドや布団で寝た方が良いでしょう。
しかし、過剰なまでに(高額な寝具でなければいけないと思い込むこと)寝具にこだわりを持たなくても大丈夫ですよとお伝えしたかったのです。
実際に高性能?な寝具が増えているにもかかわらず、睡眠の満足度は低下していますからね。
寝具に迷っている、自分に合う枕を探し続けているといった方も珍しくありません。
「自分に合う枕がきっと世の中のどこかにあって、いつかそれに出会えるはずだ」
とお考えなのかもしれませんが…出会える確率はどれくらいなのでしょうね。
人間の身体は、歳を重ねれば段々と変化しますよね。体型や姿勢も変わります。
ですから、その時には例え合っていても、数年後数十年後には、また「合わない枕」になっているわけです。
さてさて、実際に私自身がどういった寝具を使っているのかについてよく来院の方々に質問されるのですが…
もとはリビングに置いてあったクッションを枕の代わりにしているんです。
マットレスも高級なものは一切使用しておらず、そのままベッドで寝ています。
しかし、何か私に健康被害が起こっているかと申し上げると…全然そんなことはありません。
仕事も運動もできていますし、こうしてこの文書も書いているくらいですから、頭が働いていないこともありません(笑)
ですから、「寝具」に過剰な期待を持たず、眠れない、寝付きが悪い、目が覚めるなど睡眠に問題があると考えるのであれば、まずお身体の状態を良くすること、そして寝ている時間よりも「起きている時間」にフォーカスすることをおススメします。
以上で寝具についてのお話を終わります。
お付き合いいただきありがとうございました。
お電話ありがとうございます、
よこはま山手治療院でございます。